CODESYSの最新ライセンス体系と料金を徹底解説

CODESYS(コーディシス)は、産業用オートメーション分野で広く使われている開発環境です。
しかし、「そもそもCODESYSは無料ではないの?」「なぜライセンスが必要なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。

まずは、CODESYSにライセンスが必要な理由からわかりやすく解説していきます。

なぜCODESYSにライセンスが必要なのか?

商用利用のための「機能制限解除」

CODESYS Development System(開発環境自体)は無料で提供されていますが、実際にPLC上で制御を実行するには「ランタイムライセンス」が必要です。

  • 稼働時間が数時間で自動停止(例:2時間)
  • 一部の通信プロトコルが使用不可(OPC UA、Modbus TCPなど)
  • アプリケーションサイズやI/O数に制限あり

高度な機能・安全性の維持

以下のような高機能制御や通信機能は有償ライセンスでのみ提供されています。

  • SoftMotion(モーション制御)
  • OPC UA、EtherCATなどの産業用通信
  • セキュア通信、ログ管理機能

継続的な製品アップデートと開発支援

ライセンス料は、CODESYSの開発元(3S-Smart Software Solutions GmbH)による
継続的な機能追加やセキュリティ対策の原資にもなっています。

評価版や学習用途であれば、制限付きライセンスやCODESYS Control Win SLの無償使用でも十分可能です。


CODESYSの最新ライセンス体系【2025年版】

2023年以降、CODESYSは「アプリケーションベースライセンス」に移行しました。
これは従来のハードウェア依存型から脱却し、プロジェクトの規模・機能に応じて柔軟にライセンスを選べる新方式です。

ライセンス選定の基準となる主な要素

  • I/Oチャネル数
  • アプリケーションコードサイズ
  • 可視化変数数
  • フィールドバスの数
  • 追加オプション(SoftMotion、OPC UAなど)

ライセンス別の料金一覧

ライセンス名 I/O数 アプリサイズ 価格(EUR) 参考価格(円)
Basic S~64~512 kB€29約4,500円
Basic M~128~1 MB€69約10,500円
Basic L~256~3 MB€89約13,500円
Standard S~512~3 MB€119約18,000円
Standard M~1024~5 MB€139約21,000円
Standard L~4096~6 MB€199約30,000円
Perf. M~8192~12 MB€349約52,000円
Perf. L~16384~18 MB€599約90,000円

為替レートにより価格は変動します。詳細はCODESYS公式ストアをご確認ください。


オプション機能の価格

CODESYSでは、必要に応じて追加機能をライセンスとして拡張できます。

例:SoftMotionオプション

SoftMotion機能は軸数に応じて別途ライセンス料金が設定されています。

  • SoftMotion 4 axes:€160(約24,000円)
  • SoftMotion 32 axes:€420(約63,000円)
  • SoftMotion 96 axes:€720(約108,000円)

その他、OPC UA Server や CNC/ロボティクス向け機能もオプションとして提供されています。


CODESYS Automation Serverの料金

クラウド型のCODESYS Automation Serverでは、以下の料金体系が採用されています。

内容価格
基本プラン(2台登録、100GB)無料
追加PLC登録(1台/月)€3.49(約525円)
ストレージ追加(1GB/月)€0.40(約60円)
通信トラフィック(1GB)€0.10(約15円)

ライセンスの取得方法

CODESYSのライセンスは、用途や運用環境に応じて複数の取得方法が用意されています。主な方法は以下の3つです。

1. CODESYS Store からオンライン購入

CODESYSの公式オンラインストア(https://store.codesys.com/)で、必要なライセンスを購入できます。
購入後はライセンスファイルをダウンロードし、アクティベーションを行います。

  • クレジットカードやPayPalでの決済が可能
  • 購入履歴やライセンス管理がWeb上で完結
  • ソフトウェアライセンスはPCや対象デバイスに紐づけて登録可能

2. USBドングル(CODESYS Key)を使用

ハードウェアキー(USBタイプ)にライセンスを登録することで、任意のPCやデバイスで使用可能になります。

  • 複数PC間でライセンスの持ち運びが可能
  • オフライン環境でも使用しやすい
  • 紛失リスクや物理的な破損には注意が必要

3. 対象デバイスに直接アクティベーション

CODESYS対応のPLCや産業用PCに対して直接ライセンスをアクティベートする方法です。
エンジニアリングPCではなく、実際に動作する制御機器に紐づけて登録します。

  • デバイス1台ごとの個別ライセンス運用に適する
  • USBドングルを使用しないため省スペース
  • デバイスの変更や交換時にはライセンス再取得が必要な場合あり

まとめ

CODESYSのライセンス体系は、用途やアプリケーション規模に応じて柔軟に選べるよう設計されています。
導入コストを最適化しながら、必要な機能を無駄なく導入できるのが大きなメリットです。

導入検討時は、まず無料評価版で試用し、要件に応じたライセンス選定を行いましょう。


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CODESYS Automation Server 料金
ライセンスモデル公式解説

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SUZUME

20代機械メーカ所属の制御エンジニア。
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